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アメ村マンガ研究所

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考えろ、裏をかけ。

考えろ、裏をかけ。_c0203277_1323214.jpg賭博堕天録 カイジ 
和也編

①(以下続巻、ヤングマガジン連載中)
(福本伸行・講談社・580円)


カイジのシリーズタイトルが「賭博黙示録」「賭博破戒録」「賭博堕天録」と漢字だらけの水泳大会みたいなことになってますが、「限定ジャンケン」「人間競馬」「Eカード」「沼」「17歩」と書けば、あーあーあ、あれね、ということになる方も多いのでは。タイトル通り賭博なのですが、その規模がデカかったり、若干命が掛かっていたりと、ただのバクチでないものが、なんと通算39巻も続いてしまってます。そのハラハラに私だけでなく、皆さんもハラハラハラハラしてるのではないでしょうか。
今回の「和也編」はまだどんな仕掛けなのか、どんなアトラクションなのかは見えてきませんが、この「カイジ」のもうひとつのテーマ、人間の欲望、人間の残虐性というところにはジワジワ染み出しています。それが巻き起こす「罪」に人は簡単に飲み込まれてしまい抜け出せずにいるというのを主眼としている物語です。だんだん進化しつつも、大本のテーマからぶれることなく「カイジ」ワールドが拡がっていきます。2巻が楽しみというよりも、13巻ぐらいまで一気に出ないかな~。無理?ムリっぽい?何とかできない?実はもうできてる?・・・・・ああ妄想。
# by manga_do | 2009-10-06 14:35 | マンガ紹介

小林薫と深夜食堂

小林薫と深夜食堂_c0203277_1215952.jpg深夜食堂
①~④(以下続刊・ビッグコミックオリジナル連載中)
(安倍夜郎・小学館・各780円)


10/9から小林薫主演のドラマの原作本「深夜食堂」。営業時間は深夜0時から朝の7時まで。メニューは豚汁定食にビール、酒、焼酎・・それだけ。あとは勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよ。という出だしで物語は始まる。客のオーダーに材料さえあれば作る主人の創意工夫さもさることながら、店に訪れる客のそれぞれのストーリーがオーダーの料理を表していたり、人間味が料理をさらに美味しく際立たせてくれています。猫まんま、オニオンリング、バターライスなどメニューになければ決して頼まない料理が、それぞれの人生と相まって毎日通いたくなる空間を作っています。こんなお店あったら行ってみたいって思うけど、でも私自身何回かお店の人に無理言って変なオーダーしたことあったと思います。そんな店って、初めてであろうが、常連であろうが、その店の雰囲気とか店の人の気さくさとか結構見えない要素で結ばれているんですよね。深夜食堂は食べ物で結ばれる縁てのが気持ちよく過ごせる空間なんですね。ちなみにメニューにある豚汁定食を頼む人は17話まで出てきません。う~ん、そのほうが美味そうですね。
# by manga_do | 2009-10-05 13:23 | マンガ紹介

碧い瞳の犬

碧い瞳の犬_c0203277_1329455.jpgBlau(ブラウ)
①(エレガンスイブに連載中)
(黒沢明世・秋田書店・690円)


映画「HACHI」(リチャード・ギアがハ~チ~ハ~チ~と言ってたのが特に印象的)のコミック版を手掛けた、黒沢明世の警察犬マンガです。

飼い主に先立たれて孤独になった碧い目の犬ブラウは警察犬訓練所に預けられたのですが、持ち前の気性の荒さから協調性に欠け、周りの犬や訓練士からも遠ざけられる存在になってしまいました。そんな時に、新人訓練士奥村未来がふとしたきっかけでブラウとペアを組むことになる。そんな未来も半分親から見捨てられて、訓練所に無理やり入れられた、「孤独」な人間だった。ブラウの他の犬とは違う素質を感じていた訓練所所長は、ブラウが「ビジネス」になると考え、未来と組ませ「警察犬訓練大会」に出場させる。
作者の犬への並々ならぬ思いと犬のちょっとした表情も描き分ける表現力は、犬マンガというジャンルを超えて、作品として熱く胸を打ちます。レディースコミックの連載なので、意地悪な先輩や目的のためなら手段を選ばないライバルなどの「レディコミキャラ」の登場もありますが、ブラウの純な碧目の前には霞んでしまいます。犬は笑うのか?と言われれば、笑わないという人が圧倒的でしょうが、私には作中のブラウが亡くなった主人や未来の前では笑っているように見えました。本当に笑っているのかもしれませんね。
# by manga_do | 2009-10-01 14:31 | マンガ紹介

ついにその時が来たり!

ついにその時が来たり!_c0203277_2193846.jpgついにその時が来たり!_c0203277_21121783.jpgスポーツポン
①~⑤巻(④、⑤巻同時発売で完結)
(吉田戦車・小学館・④巻800円、⑤巻900円)

このブログはこの方の本を紹介するために立ち上げた・・・すいません興奮気味で公私混同してしまいました。
吉田戦車大将軍先生のスピリッツに連載していた、スポーツを題材にした4コママンガがこの度ワールドカップと北京オリンピックも終わり、スポーツの祭典の終幕(2つとも結構前だったような気がする)と共に華々しくも、ひっそりと終わってしまいました。同時期にビックコミックに連載していた「風呂マンガ」と共に、かなりニッチなネタで笑わせていただいた日々を思い出しますと、思い浮かぶのは電車の中で読んで、笑いを我慢する日々のみです。「スポーツポン」と「風呂マンガ」、このタイトルでどんなお話が拡がるのか興味をもたれた諸兄も多いと思います。ハッキリ言って吉田先生、出落ちで笑い取れてるッス。これで中身読んじゃいなよ、しちゃったりしたら、ビクトリーッス。
⑤巻の巻末には自戒とも自虐とも取れる、巻末マンガついてます。あ、それと「伝染るんです」実写化とアニメDVD2巻目発売おめでとうございます。そして、現在連載中の「ひらけ相合傘」も最高ッス。恋だの愛だのレモンパイのようなスッパ甘さッス。

# by manga_do | 2009-09-30 21:50 | マンガ紹介

“犬公方”と呼ばれた、女将軍

“犬公方”と呼ばれた、女将軍_c0203277_15153991.gif大奥
①~⑤巻(月刊メロディに隔月連載中)
(よしながふみ・白泉社・650円)


ここ3巻ほど年末に発売されていて、年末の風物詩化されていた「大奥」ですが、初秋のなんともまったりとしたよい季節に最新刊5巻が発売されました。では、まずはあらすじから。男性だけが罹る謎の疫病の影響で、日本全国の男性が激減してしまい、男女の立場が逆転してしまった世界のお話です。そんなわけで天下の江戸幕府の将軍も女性、大奥は全て男性という、男の私にはちっとも羨ましくない世界です。「女将軍」が子を生すときには、男大奥から「嫁」を貰う図式です。5巻目でわかっているのですが、この簡単な図式が中々難しい。お姑さんが男で、側室も男で、幕府の偉いさんは女で、跡継ぎも女で・・・・う~ん、やはりまだ混乱します。
今回の5巻目は「生類憐みの令」、犬公方でおなじみの5代将軍綱吉公を中心にお話が進んでいきます。なぜ彼女がそんな法律を作ったのか。「男女逆転世界」だから起こる女将軍の悲哀がそこにはあります。後半はあの有名な「忠臣蔵」もあって、ヨダレダラダラの展開ですよ。しかも、逆転世界ですしね。
# by manga_do | 2009-09-29 16:48 | マンガ紹介