あまたあるマンガの中で、話の内容とかでなく、登場人物、たまに脇役であったり、とにかくキャラが濃いというか、永遠に忘れられないキャラやセリフや場面があったりします。たまにはそんなところも突いていこうと思っています。
その栄えある第一回目はこの作品です。
伝染るんです⑤
(吉田戦車・小学館・630円)
この方、あまたのキャラを生み出してるんですが、その中でも時折思い出しては、世の不条理というか、不効率を嘆いてしまうキャラはないなと思ってしまいます。
その名も「医者護婦」
お医者さんと看護婦(連載当時の90年代前半は『看護師』という呼び方は定着していなかったので)両方できるのが
「医者護婦」。
なんて便利な人でしょうか。でも、この医者護婦は誰からもお呼びがかからずの役立たずになってしまいます。
このネーミングセンスもさることながら、何かを兼ね備えるという、この多角化の時代には役職、名称などなどの融合はあり得るのに、医者と看護婦が融合した途端、吐き気にも似た嫌悪感を覚えてしまいます。
この融合のうまさは他にも続いていきます。企業合併が流行った時は、ランジェリーショップと魚屋を合併させたり、ペガサスの逆で、馬の姿をした鳥が「鳩のフン」ならぬ馬糞を空中からまき散らすなど。絵にしてもおどろおどろしいですが、ネーミングや組み合わせの段階で完成してしまっている面白さは本当色褪せませんね。
色々なギャグマンガのキャラは、基本出オチだったりするんですが、この方のキャラは今もふとした時に思い出してしまう。実は今日、兼ね備えているという部分で思い出しちゃんったんですよ。