デストロイアンドレボリューション
②
(ヤングジャンプ連載中)
(森恒二・集英社・540円)
<あらすじ>
離れたところから、手を触れずに物質を「削り取れる」異能の力を持つ高校生田中マコトは、恵まれない家庭環境、鬱屈した高校生生活に虚しさを感じていた。そんな彼が、同じく社会からはじかれ、社会を憎悪していた同級生ユウキに出会う。ユウキの社会への攻撃性と自分の境遇、自分の力とこみ上げる怒りのはけ口を求めて、ユウキに自分の力を打ち明ける。マコトの「チカラ」を見たユウキは、自分の「計画」にマコトを誘う。「僕らの敵は日本国政府だ」と。2巻目は自らを「問うもの」と名乗り、社会、日本に挑戦をたたきつけた2人、新しい仲間を迎え、マスコミからの挑戦を受ける。
「自殺島」の森恒二のSFテロルストーリー。今や大多数となりつつある、自分を変えることができず、社会に鬱屈した思いを募らせ者たちの、その衝動としての「テロ」を描いた作品。「異能の力」を社会の悪を誅するといって使い、悪とは正義とはを問う内容になっています。一方的な感情から、他方を悪と呼び、自らを正義を下すものとしての「テロ」。そこの意義もこの作品では重要な要素であり、登場人物の苦悩にもなっています。