四月は君の嘘
①
(月刊少年マガジン連載中)
(新川直司・講談社・460円)
<あらすじ>
天才少年ピアニストとして名を馳せた有馬公生は、11歳の時に母の死をきっかけとなって、ピアノが弾けなくなってしまった。中学2年生になった今も、ピアノを遠ざける生活を送っていた。そんなときに幼馴染みとグループデートみたいなことをしているときに、粗雑で、天真爛漫、そして凄腕のヴァイオリニストで同級生の宮園かをりと出会う。音のないモノトーンの生活だった、有馬公生の毎日に色が垂れ始める。
天才ストライカーでありながら「女子」という理由で、男子サッカーに参加できなかった中学生を描いた「さよならフットボール」の新川直司の最新作です。絵が本当にきれいです。そして、中学生などの思春期での発奮や恋が恋に変化する前段階を描かせたら天下一品ではないでしょうか。本当にまだまだ恋になっていないところがうまいです。キュ~~~ンときます。
この作品はピアノ、ヴァイオリン、毎日の色使い、自分を突破する、幼馴染、まだ見ぬ恋がキーワードになっています。主人公の有馬公生はどんな音を、中学生になって、自分のためでなく、愛する気持ちが芽生えつつある人に対して奏でるのか、本当に楽しみです。作中では、この人が好き、気になるとかの表現もなく、音楽を通して音楽に向き合ってきた自分以外の人間への思いなどが、本当にウマイキレイに描かれています。続きが楽しみです。