SARU
上(下巻6月発売予定)
(五十嵐大介・小学館・680円)
<あらすじ>
ザビエルの遺骸が盗まれた!“征服王”ピサロの遺骸も盗まれた!!それと時を同じくして世界各地で頻発する謎の事件、暗殺事件。幸運にも難を逃れた少女は、入院中に何かが憑依した如く自らをこう名乗る、「斉天大聖・孫悟空」と。シベリア、イタリア、バチカン、アフガニスタン、エチオピア、そしてフランス・・・。世界をまたにかけ物語はより深い謎に落ちる。聖書、ノストラダムスの予言と奇妙なほどの共通点が浮かび上がる、猿-孫悟空が現代に甦るるる。
孫悟空こと斉天大聖ことハルマンタことトラロックことトゥニアクルクことドゥナエーこと内臓を晒す者ことヘルメスことハヌマーンことトートこと・・・ハア疲れた。こんなにもいっぱい名前があってはお困りでしょうが、こんなにもあるのは彼が恐怖の対象であり、一口に悪魔や化け物と洋の東西を問わずに言われてきたからなのでしょうね。確かに孫悟空のお話、西遊記でも彼はいろんな名前で呼ばれたり、すごく長ったらしい名前で呼ばれて、恐怖の対象となっていましたね。さてお話に戻って、「サル」を中心に、聖書や各種予言、言い伝えに翻弄されていく登場人物たち、それ以上に壮大なお話と謎。五十嵐大介の代表作認定ですわ。6月が楽しみです~。
ちなみに伊坂幸太郎の「SOSの猿」とは根本の設定を同じくした、いわゆる姉妹本です。このような形で想像の海への航海ができるのなら、こういう企画は大歓迎です。だって「SOSの猿」も読みたくなったしね。乗せられてる?