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アメ村マンガ研究所

mangamiti.exblog.jp

名プロデューサー

c0203277_1045770.jpg さようなら、と君は手を振った
(原作木原音瀬・深井結己・蒼竜社・630円)


木原音瀬アンソロジーコミックス「ergo」からの単行本化第4弾です。高校生の夏に落ちた、誠一と啓介が10年ぶりに再会する。その時に駆け落ちの約束をしたのを後ろめたく感じながらも、また接近する2人。どこまでも無償の愛を貫く啓介とその気持ちに気づきながらも素直になれずに啓介を傷つける誠一。今回のお話はBLですが、このなかなか交わらない気持ちに、ヤキモキした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。特に同性同士の恋ということもあり、届かない思い、環境などによって、相手を思いやる気持ちと傷つけてしまう気持ちがオモテウラのごとく同居してしまっていることがあるのかもしれませんね。そして、激しく傷つけられる方が相手を許すのではなく、それも含めて愛することの偉大さを知らされました。帯には「大人の恋愛小説」と書いていましたが、友達、親友、恋人、夫婦、一切を超えた存在を愛すことができたときに、こんな気持ちになれのではと感じました。いい話ですし、性表現だけがクローズアップされがちなジャンルですが、感激の涙以上のものが流れた気がします。
木原音瀬先生は4年ぐらい前に蒼竜社から「Holly Novels」を立ち上げ、専属作家として1レーベル1作家となって、イラストの作家を木原先生が指定して、いわゆるセルフプロデュースのような形でこのBL業界に新風を吹き込みました。第一弾「ROSE GARDEN」が出た時は正直「大丈夫かな?」と思いましたが、その後定期的に刊行していき、ヒット作も登場したことによって今では「Holly Novels」の棚がいろいろな書店さんである状態です。ヒットの秘訣はあきらめなかった(勝算があったのだと思います)ことと1から自分で作っていけたことなのではないでしょうか。このモデルケースは、よそが中々マネできることではなく、木原先生と先生の作品ならイラストを描いてもよいという人望がなければ成功しなかったかもしれません。最近はほかのレーベルの仕事が増えてきて、「Holly Novels」の作品があまり出ていない感じがしますが、現在のコミック刊行でも充分読者には満足いただけるクオリティですしね。
# by manga_do | 2009-09-22 12:39 | マンガ紹介 | Comments(0)

ブルボン小林さんです。

c0203277_12343228.jpg ゲームホニャララ
(ブルボン小林・エンターブレイン・1260円)


芥川賞作家長嶋有が「なるべく取材せず、洞察を頼りに」をモットーのコラムリスト、ブルボン小林という別名義でゲーム雑誌「週刊ファミ通」で連載しているものをまとめたものです。小林先生の洞察の鋭さというか、ゲームという虚構の世界に現実感というか所帯じみた考えを持ってくるかと思えば、ゲームのリアリティに一抹の作り物感を求めてしまう彼のゲーム「フリーク」っぷりが今までのゲーム本とは違い、旨味を加えた作品に仕上がっている感じがします。たとえば、「マッピー」は泥棒か警官か?と書かれた一節があります。はっきりいって考えたことはないです。アイテムを集めていたから、泥棒?答えは泥棒ネコから盗品を取り返す警官ネズミなのです。彼の文章は、批評的なうがった見方のゲーム観という捉え方をされるかもしれませんが、本当のゲーム好き、ゲームという蜜の花を眺めたいと感じながらまわりを飛びながら「ウンウン」と頷いている趣向を感じました。下手したら、ゲームを買っても箱から出さずに、その世界を箱のウラの説明でだけで考えているかもしれません。私も昔、攻略本を買ってソフトを買っていなかった時代がありました。まあ、それはさておき。あと、「ストⅡ」について書かれていたところも面白い。オープニングの画面が一枚もの絵みたいな画面で、男達がまさに殴りあっているシーンがまさに「ストリート」「ファイト」だということを述べていた。そして、ゲーム本篇になると、銭湯や涅槃像前などどこがストリートだ、てな具合です。物事は1方向ではなく、うがった見方も、見ないという方向もすべてそれぞれの見方になります。ましてやこれほどまで大きな世界を見せてくれるゲームの世界はまさに無限大なのかもしれません。久しぶりに何かゲームをしてみたくなりました。いやいや、何したいか考えるだけにしておきましょう。小林先生の同時発売本で、これもゲームエッセイの「ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ」(ちくま文庫・840円)もございます。
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# by manga_do | 2009-09-21 13:43 | マンガ紹介 | Comments(0)

週刊ヤングジャンプ マンガ持込大会開催!!

c0203277_1643367.jpg「club MIA」という漫画家やイラストレーター志望を応援し、育てていくことを推し進めている関西在住の団体があるのですが、今回「週刊ヤングジャンプ」のマンガ持込大会があるということを聞きつけ、日頃懇意にしている「club MIA」さんに特別に許可をいただいて持込大会をのぞかせてもらえるようになりました。
大阪デザイナー専門学校さんで9/19,20の2日間で開催されているのですが、本当に本当に緊張しまくりでした。ちなみに緊張したのは、ただ見学に来て、漫画を描いているわけでもない私がしてしまいました。マンガの持ち込みという、話には聞いていたり、最近では「バクマン」などでも描かれていたりする現場に立っている。しかも、そこから飛び出す編集者と漫画家のマンガを通してのバチバチバトル。そこには一切の建前も妥協のない世界、そのマンガが面白いか面白くないか、良いか悪いかだけの世界。はっきり言ったりすることもありますし、自分の世界を覆されるような厳しいこともおっしゃっていましたが、そこから逃げないからこそ、そこを渡るからこその作品というのは我々が普段目にしたり、読んでいる面白い作品になるのだなと考えれば本当に納得です。私の勝手なイメージですが、編集者の方がマンガを読んで「アカン、ダメや、やり直しや」(一応関西人イメージで)などと言ってむげにも門前払いするのではと思っていたのですが、実際は作品をスミからスミまで、1コマたりとも漏らさずに読んでいたのが印象的でした。まあ、当たり前といえば当たり前なのですが。それと漫画家のその作品に対する思いやこういう方法、考え方もあるのではというアドバイスにも似たお話が印象的でした。そしてなんといっても、5~10分ぐらいで終わるのかなと思っていたのですが、な、なんと30分以上も1人に時間をかけてそれを2日間もやるなんて・・、仕事以上の、仕事の先、何か使命みたいなものを感じました。漫画家も一生懸命、何度も何度もやり直したり、考えなおしたりして真剣に取り組んでいます。そして、それと同じくらい編集者の方たちも真剣なのだなと感じましたし、そのぶつかりがなければ絶対良いものは生まれないのだと思います。漫画家を職業としたい人間、マンガを作ることを職業としている人間、その出来あがったマンガを売る人間。その3者の強烈な温度差を感じてしまいました。のうのうとマンガを売っている人間としては、今日ほど恥ずかしい日はありませんでした。漫画家と編集者がひねりにひねり出して、血で漫画を描いている作品を我々書店員が売っている。今日、マンガが生まれる現場の一部を見せていただいて、1冊の重みをひしひしと感じました。

「ブログに載せたいので写真いいすか?」というお邪魔虫のしょうもない頼みを聞いていただいた、週刊ヤングジャンプの編集者の方、本当にいいものを見せていただきありがとうございました。「club MIA」「大阪デザイナー専門学校」にも大変感謝しております、ありがとうございました。そして、緊張の面持ちで待っていたところを写真撮ったり、ウロウロしていたりと今回の参加者の方にはご迷惑をおかけました。ヤンジャンに掲載された暁には、アセンスアメリカ村店でサイン会や個展をしていただけませんか?
うん、うん、なんて厚かましいんでしょう。ちなみに写真は若干どころか、かなり緊張して撮ったのでヘタクソという以前に震えています。
# by manga_do | 2009-09-19 16:19 | マンガ紹介 | Comments(1)

新之助と聞いてピンと来ず

c0203277_193195.jpg映画クレヨンしんちゃん完全コミック
嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

(臼井儀人/高田ミレイ・双葉社・560円)

映画「BALLAD 名もなき恋のうた」の原作本として一躍注目を集めたしんちゃんこと新之助君です。失礼ながら、「クレヨンしんちゃん」が基になっていることは知りませんでした。「BALLAD」の予告編を見ていて、なんと切ない話なのか、なんと悲恋なのかと思っていましたが、しんちゃんが登場するのならかなり楽しいお話になるではと思いコミックを読んでみました。
涙です。
泣きじゃくってしまいました。しんちゃんのまっさらのノートのような真っ白な心が人々の「何か」を揺り動かし、周りの人々もよくわからない「何か」を感じてしんちゃんの言葉に耳を傾ける。しんちゃんはいつものようにお尻を出しているけど、いつも真剣にぶつかってくる。しんちゃんに「心」という「何か」を教えてもらった気がします。
おとうさんも普段は不真面目なところもあるけど、ここ一番の心のぶつかりはビンタされた感覚です。しんちゃんが過去にタイムスリップして行方不明にになって捜しに行こうとするおとうさん、おかあさんは戻れなくなったらと心配する。そこでおとうさん、「しんのすけのいない世界に未練なんかあるか」と一喝。これを言われて腹を括らない人はいないと思います。この本、この映画かっこいいと思いまた涙してしまいました。
# by manga_do | 2009-09-18 20:02 | マンガ紹介 | Comments(1)

マガジン・サンデー祭ッス!!

c0203277_15442353.jpg最近、コミックの新刊が固まって出ていなかったので、
ドカ~ンっと出ましたね今日は。両レーベル合して、なんと30タイトル以上!店頭に並べるにも場所がなかったりして全国の書店員さん、
オンヤッス!
(お疲れ様ですの意)。特に小学館さんは意欲的で、「クラブサンデー」というWEB専用コミックからコミックス化される作品を7作品も持ってきて、今までのの刊行点数が一気に倍になりました。WEB専用か・・これからの出版形態がこのような形に移行するのか、今迄の形を併存するかはなかなか見えてきませんが、作品を手にとりみてみました。うん、オモシロいです。面白い作品は週刊誌などの紙媒体での連載とかはあまり関係ないのではと思い知らされます。そのなかでもオモシロかったのがこちら。
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  タッコク!!!
(福地翼・小学館・420円)

未来の日本に「卓球告白法」なる法律ができて、好きな相手と付き合うには、相手と卓球で勝負して勝てば認められるというお話です。主人公のガクくんの好きな相手は全国卓球ランキング1位のカコちゃん。
うんうん、設定がいいですよね。卓球ラブコメって今まであったんでしょうか?松本大洋の「ピンポン」は違うし。スポーツマンガはかなりやりつくされているし、数も多いですね。そこにはスポ根だったり、ギャグだったり、ドキュメンタリーだったりとスポーツ漫画いつも感動オセンチさをくれるから大好きですね。しかも、「タッコク!!!」は卓球告白法という新要素をつけたりしてますもんね。まだまだ可能性が広がるジャンルですね。
「愛のサーブ」「愛のラリー」「愛のタッチネット」「コートニー・ラブ」(なんか最後違うのが混ざってましたが)
# by manga_do | 2009-09-17 16:33 | マンガ紹介 | Comments(0)