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アメ村マンガ研究所

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怪しい3人組

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憂国のラスプーチン

(佐藤優・伊藤潤二・長崎尚志・小学館・550円)


2002年に外務省に対する背任容疑で逮捕された、元外交官佐藤優の半生と逮捕後の検察との戦いを描いた作品。

作中では実際の人物とは違う名前を使っているが、ほぼ実在の人物の行動だったり言動なのではと思われます。外務官僚の腐敗と国家の怠慢など、事件そのもの以外にも国際関係で「ああ、そうなのか~」といった妙な説得力があったりする。

作画の伊藤潤二の禍々しさは健在で、物語を深くも華々しさにもどちらもできています。実際事件があったことなので、そのリアリティはより事件にひこまれていきますね。
by manga_do | 2011-06-30 18:15 | マンガ紹介 | Comments(0)

吉宗の出産

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大奥

(よしながふみ・白泉社・650円)


今年も「大奥」の発売がやってきましたね。映画化があったりと結構激動な感じでしたが、遅れもせず「よしながワールド」をまた堪能できましたね。

1巻の終わりに、吉宗が女系の将軍に関して、97歳の御右筆頭の村瀬にお話を聞きに行くシーンありましたよね。あのとき、村瀬から聞いた意外な事実、大奥を作った春日局は女性であって、3代将軍家光は初め男性であったという真実。そこから語られる3代将軍から7代将軍までの系譜の歴史を、2巻から7巻まで使って述べられていました。

今回、そのお話も終わり、新章(?)ともいうべきお話に突入しています。吉宗が名君たるゆえんを存分に発揮するに至る自身の葛藤が描かれています。

男女逆転ストーリーとして読むよりも、人間が繰り広げる群像劇のように楽しめるのも、大奥の大きな魅力ではないでしょうか。

小学館漫画賞も受賞し、益々漫画として、ストーリーとしての円熟味や奥深さが出ますが、15代将軍まで行ってくれたらいいと思うのは私だけでしょうかね。次巻で終わりそうな雰囲気なんですけど・・・。
by manga_do | 2011-06-28 10:44 | マンガ紹介 | Comments(0)

実録

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裁判長!ぼくの弟 懲役4年でどうですか

(松橋犬輔・北尾トロ・徳間書店・650円)


<あらすじ>
ドラマにもなった「裁判長!ここは懲役4年でどうですか」のコミック版を手掛ける、漫画家松橋犬輔の実弟が2009年9月2日に逮捕される。テレビのニュースにも取り上げられるほどの事件を起こした弟、裁判漫画を描いている兄。家族を巻き込み、世間を巻き込む280日間にも及ぶ裁判の記録です。

裁判漫画を連載中に自分の身内が逮捕される。このマンガみたいな展開でありながら、家族が故の苦悩を隠さず、さらけ出して描いた松橋犬輔の漫画は、実録とはまた違う、良い悪い全てが詰まった漫画になっています。

涙、吐露、苦悩、救済、家族。全てが至近距離で描かれていて、犯罪が家族を離れさせるといったプロパガンダ的な描き方でなく、弟に反省してほしい、母親にはあまり知ってほしくない、作者自身が漫画にする苦労と葛藤、近親者でしか味わえない世間の目など、本物がそこにはありました。淡々と描かれていますが、これを漫画にするときの伝え方は、漫画を読む人、描く人、全てに参考には大いになると思います。
by manga_do | 2011-06-27 19:21 | 1巻目にしてオモシロイ | Comments(0)

対土下座

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どげせん

(週刊漫画ゴラク連載中・以下続刊)
(板垣恵介・RIN・日本文芸社・620円)


<あらすじ>
高校の教員である、瀬戸発(せとはじめ)は交差点でやくざに追われている女性を助けるため、大通りの横断歩道の真ん中で許してもらうための「土下座」を行う。あまりのきれいな堂々とした土下座、衆人環視の上、瀬戸が発した言葉は「どうか・・お赦しを」。やくざはその場を立ちさざるおえない。究極の赦しを請う行為、土下座。人に赦しを請う、自らを無にして相手に飛び込む、それをまざまざと見せつける漫画です。

「グラップラー刃牙」シリーズの板垣恵介原作の、人の究極の命乞いのマンガです。土下座をすると相手が許してくれるという、創作ならではの展開ではなく、人に心を開かせたり、人からモノを頼むときに本当に考えさせられるマンガです。土下座をするからには真剣で、命がけでしなくてはと考えたくなります。

その圧倒的な存在感、真剣さゆえの揺るがない気持ち、この漫画は間違いなく今年、2011年の漫画界の台風の目ではないでしょうか。

6/29に、な、なんと2巻目出ます。あまり巻数が続くようなコミックではないですが、明らかに今もそしてこれからも生きていける作品です。
by manga_do | 2011-06-26 11:16 | 1巻目にしてオモシロイ | Comments(0)

年俸1800万円の憂鬱

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グラゼニ

(モーニング連載中・以下続刊)
(森高夕次・アダチケイジ・講談社・570円)


<あらすじ>
プロ野球に高卒で入団して早8年、スパイダーズ中継ぎ投手凡田夏之助の特技は、全球団の1軍選手の「年俸」をソラで言えること。歩く「選手名鑑」なのです。対戦打者の狙い球を探り合うより、自分の年俸1800万円より高いか低いかで今夜も凡田夏之助26歳、勝負に出る。

年俸1800万円。サラリーマンに限らず、皆がうらやましがる金額であるが、プロ野球選手ということであるならばそうも言ってはいられない。選手寿命が短いといわれているプロ野球選手であるなら尚のこと。「億」をもらっている選手が多い中、来年消えるかも、来年減額かもしれない選手にとっては、毎日ががんばりどころの考えどころではないでしょうか。

この作品、その辺の悲哀であったり、面白さであり、1球にかける真剣さが伝わってきます。色々野球漫画はありますが、自分が野球選手だったらな~って考えやすいマンガですね。
by manga_do | 2011-06-25 15:49 | 1巻目にしてオモシロイ | Comments(0)