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アメ村マンガ研究所

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楳図~う。

c0203277_1439348.jpgUMEZZ HOUSE
(蜷川実花、楳図かずお・小学館・2730円)


写真家蜷川実花が楳図かずおの「あの」お宅を、300枚もの写真で綴った衝撃写真集。9/30に出てたのですが、改めて棚に並べてみたら凄みが増してます。

外観もスゴイが、家の中はなおスゴイ、というのがこの本を読んだ偽りなき印象でしょうか。楳図グッズの数々、そして楳図世界を髣髴とさせる内装。伏魔殿かディズニーランドか・・・いや、UMEZZ HOUSEだわ。

楳図かずおが花びらのお風呂に入っている写真があるのですが(蜷川作品にはよく出るシチュエーション)、すごく恥ずかしそうに、乙女のような恥じらいで写真に納まっているのは、少しこちらも照れくさいですね。

外観の景観問題で揺れに揺れた「UMEZZ HOUSE」ですが、私自身はこんな家を作れて、住めて、写真集を作ってもらえるなら、とても幸せですし、願わくばまねしたいと思いますね。


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by manga_do | 2010-01-26 18:44 | マンガの潮流 | Comments(0)

数寄は海を越える

c0203277_21222584.jpgへうげもの
⑩(以下続刊・週刊モーニング連載中)
(山田芳裕・講談社・560円)


<あらすじ>数寄とは?侘びとは?を問い続けた歴史上の人物と言えば、千利休が思い出されるが、それと双璧、もとい、違うアプローチながらそれを問い続けた男、古田織部正。彼の「歪んだ」侘び、数寄が展開される戦国異色絵巻。

もう10巻ですか、早いものですね。今、戦国ブームですが、現在に残る当時の絵画、建築、焼物、刀剣などは今見ても唸るというか、なんでなんだろうと感心するというか、欲しいというか、とにかく唸ってばかりです。それは当時の美意識の高みがとてつもなく上段にあったり、意識すらしない世界にあるのではと考えさせられるからほかなりません。特にこの漫画に出てくる、現在だったら国宝級の「財物」がなぜ宝なのか、なぜ当時のアートになったのか、なぜ当時の人々の心を惹きつけ続けたのかを、山田芳裕得意の激しいパースとマンガのデフォルメを超えた顔面表情でよく、本当によくあらわしています。「確かに当時生きていたらこんなテンションになるかも、いやなるね」というのをとにかく説明くさくなく、ありのままに表現しています。それと歴史上の人物と言って、神格化されたり、ヒーロー化されているのではなく、あくまでも普通の人間、人間臭い人間といった具合に等距離に描かれています。そこに主人公たちの美意識が加味されているところがこの漫画の特徴ではないでしょうか。
コレクター魂は今も昔もすごいですが、昔はだれが所有していたか、だれの手によって見出されたのかという部分が大きかったようです。そのコレクターの数寄にかける思いが反映していることが大事だったのではと感じます。


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by manga_do | 2010-01-23 13:46 | マンガ紹介 | Comments(0)

地図ガールか・・・良さそう。

c0203277_1239442.gifちづかマップ
(衿沢世衣子・講談社・945円)


<あらすじ>主人公・鹿子木千束(かのこぎちづか)16歳は、ひょんなことから古美術を扱う祖父の手伝いで、古地図を使った、祖父が副業でやっている「たずね人」稼業をすることになる。実際ある地名と古地図の出会いが生みだす、リアルロードマンガ。

行政区分の合理化と様々な合併によって、日本の地名はいろいろと困ったことになっています。昔まであった地名が「○○町5丁目」に組み込まれてしまって、訪ね歩くのが一苦労だったりなど。アメリカ村も今は「西心斎橋」という地名ですが、昔は「炭屋町」と呼ばれていて、地名を見ればそこが何をしている場所かが分かるという風情がありますね。特に大阪と東京などは元々何もなかったところに江戸時代に当時の都市計画を盛り込んで造られた、文字通りの「合理的な街」で、職能や身分をあらわす地名にすることで、口から耳に伝わる「音」で区分を決めていたんですね。現在はもっと合理的にして、「○○町8丁目」などかなりでかい範囲での括りをつけることによって、当時の細かに伝わる街並みの「音」が伝わりにくくなっているのかもしれませんね。
そんな「古地図」ほしくなりませんか?古地図を引っさげて街に飛び出したくなりますね。
ちづかちゃん、でしょ?
by manga_do | 2010-01-21 13:30 | マンガ紹介 | Comments(0)

携帯マンガの書籍化

c0203277_15213356.jpg善良なる異端の街
(ケータイ漫画王国で配信)
(松本次郎・Bbmf・670円)



フリージアなどでお馴染みの松本次郎の短編集です。この前に、太田出版からも1冊が出て、最近密かに出版されラッシュですね。内容は2冊とも、彼のワールドを色濃く出している内容なのですが、彼のエロ、グロ、サバゲーというキーワードの散りばめ方と、本当にちょいと不思議なSFに仕上がっていたり、やはりエログロだったりと、彼を知る人も知らぬ人も楽しめる作品です。一生懸命ギャグやったり、大真面目にエロだったりと屈折という言葉でいっていいのかわかりませんが、やっぱり屈折ですよね。
最近の傾向としてのケータイ漫画なのですが、ウ~ン、やはりこういうことになっていくのでしょうか?なぜ、携帯のコンテンツがもてはやされるのかと言えば、やはりコンビニエンスという言葉で集約されるのではないでしょうか。紙媒体存亡の危機、漫画雑誌衰退などが言われていますが、読み手からすると、紙に恨みがあるわけでもなく、漫画雑誌がコワイわけでもなく、ひとえに読み方の利便性だと思います。いつも使う携帯で漫画が読める。そこを無視して、この世の終わりを嘆く必要はないと考えます。今回のように、ケータイ漫画がコミック化されないことも考えないといけませんが、携帯の画面が小さい大きい関係なく、脳にダイレクトにマンガのページが入ってきて読めるような時代になるまで、良質な漫画雑誌とオモシロイコミックは残り続けると思います。要はオモシロイかそうじゃないかの差だけだと思います。
そういった意味での、隠れた面白作品に出会えた今回の作品はよかったと思います。
多様性なんてミミッチイ言葉には騙されないようにしませんとね。
by manga_do | 2010-01-20 18:48 | マンガ紹介 | Comments(0)

行ってきました「最後のマンガ展」

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海遊館が休みで、平日の昼下がりの午後3時ということもあり、結構空いているのではと思い、サントリーミュージアムに近づくと、人人、人の塊が入り口付近にできていました。
こ、こんなに来てるの?
いつぞやのミッフィー展以来、ドラえもん展以来の人だかりではないでしょうか。中に入ると、ありました、超ドでか武蔵が。でかい。とにかくデカイ。これって直筆?もしかして、そうなら・・・なんじゃこらと叫びますよ、確実に。
雑誌に特集されていたりして、ある程度の内容はわかっていたつもりなのですが。
泣いちゃいました。見ている途中で、ワンワン泣いちゃいました。マンガを読んでいるだけでは伝わらない、目の前にある迫力、目の前で繰り広げられる物語、どの作品をとってもガシガシ響く「バガボンド」の本当に伝えたかった事。サントリーミュージアムという空間も作用し、その答えみたいなものが、目とか脳とかを通り越して、心にバッチーンときてしまいました。
「最後のマンガ展」
本当にこれこそ究極の漫画表現なのかもしれません。マンガを原稿用紙から飛び立たせて、一枚の絵画のように単体の作品と仕上げる。こんなマンガを見たことないですし、これから現れるかわかりません。もしこの手法を広げていけたら、マンガはアートなんて安っぽい言葉じゃなくて、本当の意味での「漫画」になるのかもしれません。その可能性を確信できる作品達だと思います。
ベタってこう塗るんや。ホワイトってこういうところにも入れるんや。そう、これらは全て原画です。マンガの原画なんてそう見られることありませんし、今回はデカイ作品も多いので本当に勉強になりました。上、下、横、ドアップとあらゆる角度でジロジロ見ていた私はかなり怪しかったかもしれません。しかも、泣きながら。

ミュージアムショップで、まあこんなにあるかというほどグッズ売っていました。破産します、確実に。で、不思議なものも売っていました。白鳳堂の筆。あれ、白鳳堂ってメイク用の筆作っているところではなかったでしょうか?げ、メイク用の筆で描いてるの、バガボンドって?


c0203277_13181176.jpg今回の大阪版に合わせて出たブルータスの特別編集です。インタヴューと彼の書棚がスゴイっす。
by manga_do | 2010-01-15 13:22 | マンガの潮流 | Comments(0)

アニメ化だけど、あれ?

c0203277_1041366.jpgバクマン
⑥(以下続刊・週刊少年ジャンプ連載)
(大場つぐみ/小畑健・集英社・420円)


お待ちかねのバクマン新刊発売ですね。もう6巻目ですよね。早いよね~、描くよね~、言ってないけど、言うよね~。連載も順調に進み、読者アンケートも着々と順位を上げていっている2人に、暗雲が垂れ込めるというのが今回のお話。
漫画家ゆえの性(さが)というか、宿命というか、通る道なので仕方がないのですが、このバクマンという漫画を読んでいて、そこに連なる「漫画道」が険しく、辛い道なのだなと毎巻思い知らされます。作者が描きたいのは悲哀か、成功か、それとも現実なのか、ちょっと聞いてみたい気もしますね。
それと、帯に2010年秋にNHK教育でアニメ化という一文がありました・・・・・きょえービッグニュースじゃん。
確かに、「努力、友情、成功」をまさに地で行っている内容だけに、NHK教育で何年も放映し続けてほしいですね。
by manga_do | 2010-01-05 11:05 | マンガ紹介 | Comments(0)

本年もよろしくお願いいたしますぅ~

新年明けましてオメデトウございます。
今年もアセンスアメリカ村店並びにこのブログ、アメ村マンガ研究所共々、マンガにまつわる「new!」を皆様にご提供できたらと頑張っていく所存です。引き続き変わらぬご愛顧と応援の方を賜りますようにお願いいたします。

さて、寅年です。虎にまつわる漫画を探してみようとベタにネタ探しをしていると、ありました。


宮崎駿の作品が・・・。


c0203277_20163576.jpg泥まみれの虎
宮崎駿の妄想ノート
(宮崎駿・大日本絵画・2625円)


トラは虎でも、第二次世界大戦中に活躍したドイツ軍の戦車「ティガー(虎)」のお話で、その戦記ものです。宮崎駿の戦車に限らず、メカものに対する造詣は並大抵のものではなく、皆さんもジブリ作品で知っていると思いますが、専門家タジタジの知識を持っています。それを一般漫画雑誌ではなく、模型専門雑誌に連載して、彼の知識を余すことなく散りばめています。しかも、全編水彩絵具によるカラーで、アニメ監督宮崎駿ではなく、漫画家宮崎駿としての画彩にははまってしまいます。この企画から「紅の豚」が映画化されたと聞けば納得なのではないでしょうか。
この作品を含めて、3冊分の戦記漫画を彼は描いています。最初読んでいるうちは、いろいろな兵器などのディテールや裏話が描かれていて本当に楽しかったのですが、それと同時にそんな兵器を産み出した人間に対して、最高の皮肉を描いているのではと思うようになりました。兵器自体は強かったり、奇想天外であったり、美しかったりと殺人兵器とは思えないほどの、哀愁やダメッぽさがあるんのですが、それを考え、造り、使って、殺されていく人間には身勝手な狂気ぶりのみが見え隠れしているように思います。彼を戦争好きな、兵器オタクというのは簡単なことだと思います。しかし、人を殺すための最高の技術、工夫が凝らされている兵器は、時として人間と対比してみれば、最高の滑稽な存在になりえるのだなと思います。ジブリ作品でもそのような場面が多く描かれています。ナウシカの巨神兵、ラピュタのロボット兵など、本来の目的を果たせず、人間の役に立つどころか、人間を殺戮するような所業。宮崎駿は大好きな兵器を描くことで、兵器のうんちくを語ることで、戦争に対しての最大のアンチテーゼを我々に投げかけているのかもしれません。
今回の泥まみれの虎は兵士がすべて豚になっています。嫌味ではないでしょうが、凄惨さを極める戦場でブタさん同士が戦う絵は、逃げではない「ピース」を感じます。

決してアニメにはならないと思いますが、この作品たちが最高の宮崎作品だと思うのは私だけでしょうか?

ちなみに、このティガー戦車は最高の戦車であり、最高に手がかかる戦車です。その戦車の名前が虎というのも、なにか、なにか理解できる気がしますね。
by manga_do | 2010-01-01 21:13 | 22世紀に残したいマンガ | Comments(0)