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アメ村マンガ研究所

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日曜マンガ博物館(31)桜木花道のモデルは?の最終回答!!

日曜マンガ博物館
第31回



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桜木花道のモデルは?の最終回答!!


今更説明が要らないバケモノマンガ。

「SLUM DUNK」
累計1億2000万部以上。誰に聞いても名作と言われたり、一番好きなマンガだったりと、今年の6月で連載終了19年を迎えるオンリーワンマンガです。安西先生の言葉だったり、直接のファンでない人にとっても忘れられない作品となっています。

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↑これ、この言葉ですよ!!




で、今回のそのオバケマンガを取り上げるにあたってメインに据えたいのは
バスケットボール

であります。


このスラムダンクの登場人物のモデルとなる人がいるのでは?と連載当時からよく言われてきました。これは作者も公式非公式ながらも、折に触れて語っていたり語らなかったりと完全なオフィシャルではないのです。確かにオフィシャルにしてしまったら、実在の選手との「関係」がややこしくなるのはわかります。
で、今回、脇役陣も含めてモデルを探そうじゃないかという長年の「やってみたい」をかなえる企画です。


まずは
桜木花道
(湘北#10フォワード 189.2cm)



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言わずと知れた主人公。類まれなジャンプ力でリバウンドをがっさらい、湘北躍進の原動力の一翼を担った。こういった面から彼のモデルはNBAの7年連続リバウンド王のあの方・・デニス・ロッドマンというのが有力です。


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ですが、この説は井上雄彦先生には「否定」されているんです。理由は時系列。桜木花道のほうが「赤髪」するのが早く、ロッドマンが赤く染めたのはシカゴブルズに移籍した1995年夏なのです。
95年といえば、インターハイも佳境で、山王戦に突入しかけのころ。たしかに薄いかも・・・・。


ですが、そのヘアスタイルとモデルのロッドマンが直接かかわっていなかったらと考えるどうでしょうか?
まずは1巻目。桜木花道は赤髪にリーゼントといった不良の古典的な象徴でした。これは作品の根幹が、不良がひょんなことでバスケにのめりこむというものだったからです。それが証拠に、ど派手なダンクからスタートしたものの、入部後は地道な基礎練習の毎日でした。そう、そんなに甘くないということです。初心者が這い上がっていくという図式としての花道の存在。これはこの漫画に大きな要素としてその後もかかわっていきます。それ故に、赤髪はこの際除外して考えたいです。
そして迎えた陵南との練習試合。経験者であり、県内の有力選手である主将・赤木とスーパールーキー流川の活躍で、五分の試合展開。点取り屋流川とチームの柱赤木ときてチームに足りないものは何か?

ディフェンス!!!!


この最初の陵南戦の連載時の1991年は、NBAではそれまでのオフェンス主体のトレンドから、バッドボーイズと言われたデトロイト・ピストンズのガチガチのディフェンス主体のトレンドへと移行しており、華麗なオフェンス主体のロサンゼルスレイカーズファンである井上雄彦先生からすれば鮮烈な印象だったと思われます。


そのバッドボーイズの末の弟みたいな存在で、誰よりも地道で、誰よりもダーティーワーク(権化のようなビル・レインビアというのもいたので、ナンバーワンではなかったが・・)を好むデニス・ロッドマンも当時の中心選手だったのです。


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この写真だけ見たら花道のモデルとは決して思えなくなるのも無理はありません。のちのロッドマンとは明らかに違います。ビジュアルは普通すぎる選手です。


この当時に井上雄彦先生が花道に託したかったことは、ディフェンスにはスランプがないということだったのではないでしょうか?
一生懸命やる姿は美しいということだけでなく、花道には不細工ながらも、熱い意志とひたむきさを求めていたんだと思います。
ジャンプの理念「努力、友情、成功」といったものだけでなく、人の心を熱く動かすプレイの素晴らしさを、当時のNBAの試合を多く観ることによって、井上雄彦先生は無意識に描き始めていたのかもしれません。

リバウンドとディフェンス。バスケットの基本であり、そのひたむきさは今でもファンの尊敬の中心です。私も未だに昔のビデオを見て涙が止まらないのは、ロッドマンがボールを追いかけてコート外にダイブする姿・・・・・。あれ?そんなシーンなかったですっけ?


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そして決定的なのはロッドマンが最優秀守備選手のタイトルを初受賞した時のインタビューの時です。1990年。それまでバスケ選手として華やかな経歴もなく、華麗な得点力もなかった彼に「守備」でタイトルが授与されたのです。バスケで学生時代スター選手でなく、それでもバスケがしたいから短大に通い、空港の荷物係の仕事をしながらチャンスをうかがった苦労人。初めて認められた栄誉は「守備」だった。彼はインタビュー時に人目をはばからず泣いた。

「この賞が本当に欲しかった」と



このインタビューやエピソードを知れば、井上雄彦先生が心震えないわけがないと思います。相手の嫌がるディフェンスをして、相手が怒って、ロッドマンの喉に肘を突き刺し(非常に危険なラフプレー)、それでも倒れずに相手をディフェンスし、さらに突き倒してロッドマンがファウルをもらったときに、天に高く拳を突き上げ喜ぶ姿は花道そのものともいえます。


いかがでしたでしょうか?井上雄彦先生が似ているかも?と言っていたのはこの方

サー、チャールズ・バークレー

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彼でしたが、確かに似ていないところがないわけではないです。ジャンプの最高点に達するまでのスピード。これはよく似ています。しかし、ロッドマンのほうが共通点が多いですし、ロッドマンの歩みやプレースタイルのほうが花道の歩みとオーバーラップするところが多いです。
そう、彼ら二人には花があるということです。


これからも折を見つけて、スラムダンクネタを追ってみたいと思います。お楽しみに。まずは、仙道あたりでいってみますか。
by manga_do | 2015-05-17 00:00 | 日曜マンガ博物館
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