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アメ村マンガ研究所

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日曜マンガ博物館(25)課長弘兼憲史の黄昏の議

日曜マンガ博物館
第25回



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課長弘兼憲史の黄昏の議


「島耕作シリーズ」「黄昏流星群」「人間交差点」「加治隆介の議」など幅広いジャンルで話題作、問題作を描き続けている、作者弘兼憲史。今日、9/9は氏の65回目の誕生日にあたります。おめでとうございます!
今回の日曜マンガ博物館はその弘兼憲史を取り上げます。


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どこかのコンサルタント、いや大学教授?そんな印象から一切漫画家に見えない。これも作品に大いに関わって来ることになります。

松下電器で実際3年間サラリーマン経験をして、その経験が「課長島耕作」のお話に大いに生かされるようにになったというのは有名な話。課長から始まって、部長、取締役と駆け上がり、遂には社長にまで上り詰めるというお話です。課長の前の時代も描いたものも含めると71巻(現在も連載中)にもなり、団塊の世代を1人の男の半生を通して描くという一大叙事詩です。

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このシリーズの最大の特徴は
「あるある、わかるわ~」です。

サラリーマンをしていく上で、やらなくてはならないこと、越えなければならない壁、出生、妬み、派閥、恋愛、家族、自分・・。それらが全て詰まっていて、それでいて尚且つ彼は成功を収めます。だって、社長になったんだもんね。

それと社会情勢、経済状況にリンクしているということ。景気が悪くなれば、会社の立て直しに没頭する、中国進出を果たし、震災時は企業としての取り組みを描く。といった具合に、その時々に企業や社会人、島耕作はどうあるべきかということを正確に描いている。これも氏の洞察というか、島耕作ならどうするだろうかという、島耕作像がしっかりできている証拠です。

モテるのはリアルに嫉妬ですが。




次は「黄昏流星群」。大人の恋愛をこれもリアルに描いた問題作です。短編ということになっていて、長くても10話ぐらい、平均4,5話で完結するというストーリー群です。コミックはそんな短編集ながら42巻まで発行されていて、これまたストーリーものでないのに大長寿作品です。

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大人の恋愛というのは今までも多く描かれていましたが、島耕作同様、時代の鏡というか世相を反映させた設定、そして、リアルすぎる大人の性描写。これがこの作品最大の魅力です。すごく短いお話なので、すぐ恋に落ちたり、完結を迎えたりと目まぐるしさはありますが、大人だって恋をする、大人の恋の素晴らしさ、人間賛歌といった、いつもいつも考えさせられるテーマになっています。

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弘兼憲史が熟女好きという実しやかな情報を聞いてから、なんかすごい納得をして読めるようになりました。これも弘兼ワールドか・・と。ビックコミックオリジナルで連載を読んでいるのですが、現在連載中の「黄昏流星群」に80歳の女性が出てきます。弘兼氏は今日で65歳。彼の言う熟女は「年上の女性」ということになります。ということは・・80歳の女性・・。複雑です。



最後に「加治隆介の議」です。これは政治マンガです。サラリーマンの加治隆介が急死した衆議院議員の地盤を引き継ぎ、衆議院議員に当選し、永田町の魑魅魍魎に翻弄されながら、総理大臣を目指すというお話です。

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これもかなり正確に政治を「キレイ」に描いていて、ここまでリアルに漫画で描けるのか?と実は現役政治家にこそファンが多いという作品です。汚い部分、リアルな部分、こういう政治家になってみたいという部分。理想の上司が島耕作であるように、理想の政治家は加治隆介なのでしょうね。今後こういう政治家が登場することを願います。

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何か預言者のような方ですが、実は今の情勢、いわば今流れている風をうまく自分の言葉や自分の絵で語ることにすごく長けている方なのだなというのは感じます。そうなんです、それこそが漫画家の想像力の源であり、表現するということなのでしょうね。今後は彼を超える弁士であり、絵師であり、表現者が現れることを切に望みます。
by manga_do | 2012-09-09 00:00 | 日曜マンガ博物館 | Comments(0)
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