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アメ村マンガ研究所

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日曜マンガ博物館(20)雪の峠・剣の舞

日曜マンガ博物館
第20回


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雪の峠・剣の舞

(岩明均・講談社・714円・(漫画文庫版・662円))


「寄生獣」「ヒストリエ」の岩明均が描く、日本の戦国時代を主眼とした2話を収録した短篇集です。

<雪の峠>
天下分け目の関ヶ原の合戦に「西軍」につくこととなり、その後敗軍となって、本拠地常陸(現在の茨城県)を追われ遠く出羽(現在の秋田県)に配置替えとなった佐竹氏は、源氏の直系で関東の雄であったプライドによって、新しい生活に主君、家臣共々戸惑いと不慣れを感じていた。そんな太平の世が訪れる時代にあって、家臣たちの日頃の憂さ晴らしは、もうすでにその時代でも伝説となっていた「上杉謙信」の逸話を語らう場だった。


<剣の舞>
家に乱入してきた兵に乱暴され、家族を殺された娘・ハルナは復讐を遂げるべく、当代きっての剣豪上泉信綱の門を叩き、その弟子疋田景兼に弟子入りする。その剣の才を見込まれて上達をしていくが、その後、道場にも戦雲が立ち込める。


こんなリアリティにあふれて、人間ドラマを表現している歴史ものも少ないのではないでしょうか。わずか1巻で終わってしまわずに、この先もじっくり見てみたい。それはすごく感じます。

この作者・岩明均の緻密な戦国描写のキレイさは、そのリアリティもそうですが、そこに歴史の史実をメインに置きながら、人物がそう勝手に発言、行動しているかの錯覚をおこす効果があります。特に、城や区外図等の図説はバンバン入ってきているし何といっても漫画家の説明の域を超えています。まるで建築家が引いたみたいになっています。

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現在、岩明均は古代ギリシャを描いた「ヒストリエ」を執筆中。そこでも、「ときは移り、場所は変わらねど、人の営みに何ら変わることがない」といったものを十分に具現化した作品になっています。歴史好きも納得できるし、そうでなくても人間ドラマ、人間の残酷性、刹那感をよく表しています。この本が11年前に発行されたというのを聞いて、面白い本の不変をも感じます


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by manga_do | 2012-07-29 00:00 | 日曜マンガ博物館 | Comments(0)
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