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アメ村マンガ研究所

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日曜マンガ博物館(12)キテレツ大百科

日曜マンガ博物館
第12回


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キテレツ大百科

(藤子F不二雄・小学館・全2巻・各1,470円)


木手家に代々伝わる秘伝書、「奇天烈大百科」を使って数々の発明品を作る小学生のお話です。

1行にまとめるとなんと簡素且つ無味なことでしょうか?ドラえもんに匹敵する作品でありながら、数々の謎が多いこの作品。このキテレツ大百科を好きと公言するファンは多くてもこの作品の数奇な「旅」を知る人はあまりいないのではないでしょうか。

あらすじは、藤子作品では珍しい成績優秀の発明好き木手英一(キテレツ)が木手家に代々伝わる秘伝書、「奇天烈大百科」を父から譲り受けるところから始まります。江戸後期の発明家・キテレツ斎が書き残した発明書を受け取るのですが、中は白紙。白紙であることに代々の先祖はいぶかして、この発明書の価値に誰も気づいていなかったのです。同じく代々伝わった神通鏡というメガネをかけると奇天烈大百科を読むことができ、数々の発明品を作っていくというお話です。

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その発明品の第1号が、もう一人の主人公コロ助です。コロ助は現代のいろいろな廃材で作られており、平仮名程度ならかける知能を持っている。ドラえもんとはちがって、ロボットという性格でなく、あくまでも人間に近い存在として木手家の一員になっている。もちろん、押し入れに寝かせられるというような疎外感っぽさは味わっていない。

よく作中に登場する発明品やストーリー展開がかのドラえもんに似ていると揶揄されることが多い。実際、タイムマシーンや物を大きくする光線や雲を作る機械等、発明品一つとっても共通点が多く、ストーリー展開もあれと思ってしまうことが多い。

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しかし、この漫画は連載当時はあまり知られていない作品で、なんと40話で終了している。ドラえもんがコミック45巻でもまだ未完だったことを考えるとその差は歴然。連載雑誌は「家の光」という農業関係者読む雑誌に連載されていて、アニメ化されるまで結構知られていなかったのです。そのアニメは331話、8年にも及ぶ大作になり、キテレツと言えばこのアニメの絵が浮かぶ人は多いと思います。

40話ということで最終話があるのですが、唐突にやって来ます。ある朝、「白紙」のボロボロのゴミだと思った母親が捨てたということで、必死に探し回るのですが、結局灰になってしまいます。大百科に頼らず生きていくと決めて物語は終わります。

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連載は短く、アニメは長かった本作、その時々の事情は違えど、藤子F不二雄の言いたかったメッセージはなんだったのでしょうか?ドラえもんでは未来の道具、パーマンは人の何百倍の力、エスパー魔美では超能力と、誰しも憧れる力をマンガにしたという側面があります。もちろん、キテレツもそうなのですが、主人公が本を頼りに「ものをつくる」、アニメでは主人公すら食ってしまうほどのキャラが多彩で、面白話主体。藤子F不二雄が存命なら、こんな作品がもっと多く作られていたのかもしれませんね。

ね、コロちゃん。

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by manga_do | 2012-06-03 00:00 | 日曜マンガ博物館 | Comments(0)
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