日曜マンガ博物館
第11回
伊藤理佐&吉田戦車夫妻
互いに離婚歴がある漫画家、伊藤理佐と吉田戦車が2007年に再婚したというニュースを聞いて、その意外すぎる組み合わせと、さらに意外なほどマッチしていたというのをよく憶えています。
互いに90年代を代表する漫画家であり、それぞれの作風で他の追随がなく、唯一の存在であった。その作風等は今更説明することもないと思います。
そんな二人が出会ったのは、必然だったのかもしれませんが、伊藤理佐の漫画のネタにもなった彼女が建てた一軒家に二人が生活するのではなく、通いだったり、仕事場が別々だったりと、再婚夫婦にありがちで、漫画家同士の結構生活を送っていたのかもしれません。
そんな二人に転機が訪れるのは、二人に子供が授かり、2010年に女の子が誕生した時に起こるのではないでしょうか。そのいきさつは「まんが親」に詳しく載っており、吉田戦車の狼狽っぷりや伊藤理佐の落ち着き、その延長線上の子育て、互いのつこっみなど、漫画家ならではでなく、夫婦の、家族の日常が描かれている。
二人の子供の日常を通して、二人の漫画家が右往左往、吉田怒られるなどのマンガをこの漫画家たちが同じテーマで、同じベイビーをテーマにしてマンガを描く。こんな漫画見たことないですね。この2冊を見比べてみて、その違いを発見するのでなく、その毎日、その毎日の家族、その毎日の家族の愛を感じてみませんか?
お互いが、お互いのマンガに登場しているのだが、似ているということも大事だが、一切デフォルメしていないというのは愛の表れなのだろうか?