闇の国々
(ブノワ・ペータース作・フランソワ・スクイテン画 ・古永真一、原正人訳・小学館集英社プロダクション・4,200円)
<あらすじ>
これを読まずしてBD(バンドデシネ)は語れない!
あのメビウスも認めるBD界の巨匠スクイテン、ついに日本上陸!
歴史的名作シリーズ『闇の国々』、待望の初邦訳!
〈闇の国々〉――それは、我々の現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群。
ある日突然増殖しはじめた謎の立方体に翻弄される人々を描く『狂騒のユルビカンド』、
巨大な塔の秘密をめぐる冒険から、数奇な運命へと導かれる男を描く『塔』、
未知の天文現象により、体が斜めに傾いてしまった少女の半生を描く『傾いた少女』、
傑作と名高い選りすぐりの3作品を収録した歴史的名作シリーズの初邦訳。
メビウス、エンキ・ビラルと並び、BD界の三大巨匠と称されるスクイテンが、ついに日本上陸。
繊細な描線、計算されつくされた構図、あらゆる芸術のエッセンスを詰め込んだBD芸術の真骨頂!(説明文より)
漫画にしては大きいB5サイズで、400ページ。ページをひらくと、圧倒的な世界に数ページで虜になってしまう。「闇の国々」というここではないどこかの場所であるのに、今いる現実との狭間がつきにくくなってしまう。
ここまでの大きな世界を邦訳するのも大変なのではと思いきや、そこはやはりこの道の第一人者たちが脇を固めていますわね。バンドデシネの解説本「線が顔になるとき―バンドデシネとグラフィックアート」の古永真一。メビウス著「アンカル」の邦訳を手掛けた、原正人。この2人・・・2人も必要になるほどの「質量」です。闇の国々にまつわる3つのお話(正直1話ずつで本が出せるぐらいのレベル)をどう捉えていいのか、1度ぽっちりでは計り知れません。ただ、闇の国々の住人にはすぐなれます。そう、すぐに・・