ねこやりSalty Cat
(黒娜さかき・祥伝社・840円)
<あらすじ>
海岸付近に住む猫・ルチ(♂)と飼い主(♀)の、毎日をきれいにゆったりと切り取ったショートストーリー。全編オールカラーで描かれた、13コの猫の日常のお話。
この作中に出てくる、ルチちゃんは実在の6歳の猫だそうです。う~ん、実在していてこういう仕草や行動をしているのかと思うと、カワイさギックリ腰になるぐらいとろけてしまいます。猫の何の罪のない罪な仕草や行動は、いつも人間の判断と考えを鈍らせてしまいます。こんな猫がいたら・・・いや、いてる。いてたら、いてたで、尚、愛くるしい。それと狭いところに入っていく習性、あれは殺人的行為です。あのひたむきで、義務感、本人の満足感、達成感。このマンガでも、その「狭いとこ入っていくんだな、こいつも」習性が描かれています。入った後の「何?」って顔、やめてほしいですね。たまらない。
このマンガを描いている、黒娜さかきはBL漫画家という触れ込みなのですが、「IKKI」で描いているというイメージ(内容はBL要素ですが)が強いですね。昔「トラの初恋」(祥伝社より復刊)というマンガを読んだときに、今までのBLとは違う、固定したシチュエーションや登場人物ではないという印象だったのですが・・。こういう所も、漫画家の素晴らしさを感じさせる作家さんだと思います。
このマンガも「IKKI」で描かれたいたものを単行本化したものですが、以前「IKKI」で出していた、「猫もっちり」もオススメです。こちらもルチと飼い主のショートストーリー集です。