ブログトップ | ログイン

アメ村マンガ研究所

mangamiti.exblog.jp

福本伸行に異色作は存在せず。

c0203277_19114135.jpg

無頼伝 涯(ガイ)

(福本伸行・講談社・580円)

<あらすじ>
子供の時から天涯孤独、孤児として施設で育った、工藤涯(がい)14歳は無実の罪を着せられたといって、町の中で大捕り物の末警察に捕えられてしまう。その後、矯正施設「人間学園」に連れてこられるが、そこは未成年の矯正施設という態は取っているが、実際は監獄だった。2巻目は施設の実質的なトップ、澤井課長に無実を訴えるが、逆に「動かぬ証拠」を見せつけられる。一体涯は何をしてしまったのか?そこに至る経緯は?1巻で起こした凶行の理由が今明らかになる。

2000年に週刊少年マガジンに連載されていた作品の新装版です。当時少年誌連載ということもあって人気がなかった同作品ですが、今や映画、コミック作品と出せば当たる福本作品の「異色作」の復刊は必然ともいえることです。

ですがこの作品、人気が出ずわずか1年ほどで打ち切りになってしまったのです。福本伸行自身の自己分析では、テンポが遅すぎたということを挙げています。しかし、それだけだったのでしょうか?もっと本質を言うと、面白くなかったのでしょうか?正直言うと、面白いですこの作品。テンポとかは関係なく、一体何をメインに置いているのかというのがはっきりしていて、尚且ついつもの福本ワールドが前面に出されていたり、少年誌を意識した動きのある描写、主人公が少年であるということなど、描くポイントも明確になっています。

早すぎた。という言葉は乱暴かもしれませんが、今読んで面白いというのはそういうことなのかもしれません。題材を変えても、主人公が変わっても、福本作品から出ている「雰囲気」は変わることなく誌面にあふれているわけで。そう考えると異色作品ではなく、福本作品であることは言うまでもないんではないでしょうか。
by manga_do | 2011-11-19 08:00 | マンガ紹介 | Comments(0)
<< 隕石の落ちた地「ムーンエッジ」 諸星大二郎図鑑のようなもの >>