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アメ村マンガ研究所

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井上雄彦のquestion and answer

c0203277_150934.jpgリアル
(11)
(週刊ヤングジャンプ連載中)
(井上雄彦・集英社・630円)


<あらすじ>
人生を賭けたトライアウト いよいよ開始!!
野宮にとって運命の一日、トライアウトの日がやってきた。だがいきなり寝坊してしまい、慌てて会場に入るとそこには憧れの成瀬の姿があった! 一方、高橋は原先生に競技用の車椅子を渡され!?(紹介文より)

年1冊のペースで刊行されてきた「リアル」ももう11巻目を迎えましたね。「スラムダンク」でバスケットマンガ、スポーツ漫画、マンガの大金字塔を立ててしまった井上雄彦が、再び「バスケ」の世界に戻ってきたのが11年前。「車椅子バスケ」の知名度向上にこのマンガが影響しているということは誰も否定しないでしょう。それだけ、1年1冊だけど、このマンガの持つテーマの意義が1巻目からデカかったことを窺えます。

今回の11巻は、バスケットをあきらめかけていた野宮のプロバスケットチームへのトライアウト(入団テスト)を受けるところから始まります。今スポーツ界は、プロアマ問わず苦境に立たされています。スポンサー減少、スポーツ人口の減少、多様性、そして少子化。今回取り上げられる「トライアウト」はその逆境を跳ね除けよう、何とが自分自身の力でもがいてみよう。そんなものがビシバシ伝わる場です。

リアル、バガボンド、最後のマンガ展。井上雄彦は何を表現したいのか、何を我々に伝えたいのか。リアルが始まった時、バガボンドが始まった時、スラムダンクが終わった時の暗雲のように見えていない部分があったと思います。しかし、見えていないのは我々だったのかもしれません。「スラムダンクの続編は?」「休載中のバガボンドはいつ再開するの?」ということばかりを投げるばかりで、彼が見せたい、自分自身が見たいものに対して目を閉じて、耳を塞ぎたかっただけなのだと思います。その「期待」に否応なしにこたえる、否応なしというか「読者の意思」に対して応えてくれる作家さんが存在するのも事実ですが、彼「井上雄彦」は違う答えを我々に示してくれました。
それは「最後のマンガ展」です。
あれこそが彼が示したかった、我々の呪縛から逃れるための答えだったのかもしれません。あれを見てまだ「スラムダンクの続編は?」と問えるものはいないはずです。リアルで表現されているバスケットのプレー描写だけを見ていて、何を伝えたいのかを理解しないものもいないはずです。

現在、バガボンドは休載中です。33巻まで見て、最後のマンガ展を観て、私自身も作者でないのに休載したくなるぐらいのあんこが詰まりすぎていました。巨大な傑物、怪物になったバガボンドがどこかの「点」でくくられることによって最終話を迎えるのが不可能な気がしてきました。それは、リアルも似たようなことが言えます。

だから終わらなくても、進めなくても、まとめなくても、考えなくても今は良いのではと思います。そんな、井上雄彦が12/12に本を出します。

彼の新たな挑戦なのか、進むべき道なのか、創作のヒントなのか、彼はバルセロナに「ガウディ」を訪ねに行きました。その時のバルセロナで描いたスケッチ、製作ドキュメンタリーを収録した、
「pepita(ペピータ)」が12/12に日経BP社から発売されます。価格は2,940円。もちろん、アセンスアメリカ村店でも発売します。お楽しみを、というより本当に楽しみですね。
彼の新たなthe Answerが見られると思います。

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by manga_do | 2011-11-12 08:00 | マンガ紹介 | Comments(0)
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