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アメ村マンガ研究所

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人を好きになることが不幸になるなんて・・ない

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王子様と灰色の日々

(ARIA連載中)
(山中ヒコ・講談社・590円)


<あらすじ>
最強貧乏で、父が娘に援助交際を勧めるような家庭で、全てを半ばあきらめかけていた女子高生敦子は、コンビニ前で、最強金持ちの乃木至に拉致同然に家に連れて行かれる。乱暴されると思いきや、制服を奪われる。そう至は女装癖があったのだ。しかし、二人はあることに気付く。性別は違えど、背格好、顔が瓜二つな事。その後、乱暴を詫びる側近・信也の暖かさにほだされそうになる。あくる日、同じく側近の遼が敦子を訪ねる。「至が失踪した」と。瓜二つな敦子に身代わりを依頼する。拒絶する敦子に、優しくしてくれた信也が失踪の責任をとらされるかもと告げられる。「この世で一番不幸な事、それは人を好きになること」その思いを胸に敦子は亡くなった母が好きだと言ってくれていた自慢の髪を切り、車に乗り込む。

貧乏、金持ち、不幸、幸せの拒絶。文学の題材のような永遠のテーマに、山中ヒコが独自の色を染めさせているこの作品。とてつもなく不幸な貧乏の高校生が、お金持ちの男たちに出会う。ありふれた題材なのに、それ以上に敦子のコンプレックスというよりも生き方の違い、考え方の筋金の入り方の方に気を取られてしまう作品です。

人を好きになることが、不幸であるという考え方は、貧乏とか以前に後天的な要素が強いので、この主人公敦子しだいで色々なものの見方が変わるはずです。お話が進むにつれて、その運命を受け入れて、変わり行く自分を少しでも、ダメでも、何とか切り拓こうとしている敦子の心理描写が絶妙です。いつまでもマイナスを背負っていいる自分を、周りの男、遼や信也は、最初は哀れに見ながら、後半は気持ちの変化も含めて、見守りたい、などの変化が現れます。

自分の不幸を理由にしてはいけない。というのは誰かの言葉でありましたが、この主人公の敦子はまだ2%ぐらいかもしれませんが、それに芽生えつつあるいじましさはとても見ていて気持ちいいものですよ。変かな?
by manga_do | 2011-10-08 08:00 | 1巻目にしてオモシロイ | Comments(0)
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