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アメ村マンガ研究所

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あだち野球というジャンル

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アイドルA(エース)

(ゲッサン連載中)
(あだち充・小学館・980円)


<あらすじ>
幼なじみ同士の高校生、平山圭太と里美あずさは小さい時からの夢も違えど、男女の壁を越えて「よく似ている」と昔から言われていた。将来はコンビニをやってみたいという圭太とプロ野球選手になることを夢見ていたあずさ。昔から野球がうまかったあずさは、高校に入って女の子が野球をするために、圭太と入れ替わって、「エース平山圭太」としてマウンドに立っていた。球は140km出て、並み居る強打者をバッタバッタ打ち取っていく。さらにあずさは「高校生アイドル」としての一面もあり、ある時はマウンドに立って高校生ピッチャー、ある時はアイドルとして多忙な毎日を送っていた。一方、身代わりの圭太は、あずさが「圭太」になっているときは「マネージャーあずさ」として、あずさがアイドルとして活躍するときは、ただ走り込みをして球を一球も投げない「圭太」として過ごす。なにせ、圭太の野球は草野球レベルなのだから。フォームが全く一緒ということを除いて・・。そんな二人の二重生活にある転機が訪れる。「平山圭太」がプロ野球のドラフトに指名されることに・・。念願のあずさのプロ野球選手だが、平山圭太としてマウンドに上がることになる。しかも、高校生の時のようにうまく二重生活を送れるのか?どうする、どうなる?

あだち充渾身の「野球マンガ」です。誰が見ても「また!また野球マンガかよ」と言いたくなりますが、読めば・・・面白い。これは掛け値なくオモシロイ。やはりあだち御大。野球のツボ、青春のツボ、読者のツボをよく知っていらっしゃる。男女が入れ替わるという、文字だけ読めば普通の感想しかもたらしませんが、作中のあだちキャラはかわいくて、あったかくて、何と言ってもキラキラしている。1巻だけで終わっても遜色はないぐらいの出来です。

1巻という話ですが、この作品一番最初に連載が始まったのはなんと2005年。6年もかかって1巻目が発売されているのです。連載誌の休刊、ゲッサンへの移籍があったとしても6年は結構長いです。他にも連載を抱えているので仕方ないですが、このおもしろさも途切れずに続いてくれたらと思いますね。

それとこのマンガでは高校野球は1話目だけなんです。2話目からプロ野球が描かれているんです。これもまた珍しい話です。元の連載誌が「ヤングサンデー」という青年誌だったからかなと思いますが、彼のプロ野球に関して「一物」ある表現が見て取れるのも面白いです。まず「球界の盟主」のチームに入団するのですが、球界の盟主という表現とシルエットで登場の名物オーナー。作中のスパイクが高校生のスパイクの延長戦みたいな感じで、プロ野球っぽくないところだったりと。どっぷりプロ野球ぽさを敬遠しているところはみてとれますが、あだち充が描く、思い浮かべる、良しとするプロ野球像が描かれています。やってはくれないでしょうが、あぶさんみたいな、どっぷり男臭くて、青春で、恋愛で、プロ野球でって描いてくれませんかね。無理ですよね。

この巻の後半28ページは、こちらも小学館を代表する重鎮高橋留美子との合作マンガが収録されています。二人の半生みたいなものが描かれていて面白いのと、コマの中にあだち充画と高橋留美子画混在しているところです。二人の絵を探したり、この話どういういきさつで描くことになったのだろう、どんな経過をたどったのだろうと邪推するのも楽しいですよ。
by manga_do | 2011-08-14 11:25 | 1巻目にしてオモシロイ | Comments(0)
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