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アメ村マンガ研究所

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夏の夜のクソムシ

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惡の華

(別冊少年マガジン連載中)
(押見修造・講談社・440円)


<あらすじ>
ある地方都市に住む、思春期に誰しも抱える鬱屈した異性への憧れと、自我を表現しきれずに自分の殻に閉じこもってしまう主人公春日高男が、クラスの憧れの的の佐伯奈々子の体操服をひょんなきっかけで盗んでしまう。しかし、その盗みの現場を、クラスの変わり者、問題児の仲村佐和に見つかってしまう。仲村は春日に黙っておく代わりに、ある「契約」を結ぶことを求める。それは、嫌がらせといった部類をはるかに超えた、春日の欲求を世間にさらすことだった。春日は自己嫌悪、佐伯への曲がった欲求などに耐え切れなくなるが、仲村の「要求」の過程で二人は仲良くなり、付き合うことになる。春日の欲求の解放、破壊を自分の喜ぶにしていた、仲村には二人の「幸せ」は到底許されることではない。春日も度重なる仲村の嫌がらせに耐えながら自問する、「自分はどちらなのか」と。

「漂流ネットカフェ」の押見修造が描く、(あとがきを見ていると)かなり自伝的な思春期の罠みたいなマンガです。誰しもが、考えたり、悩んだりする思春期特有の性、自分の可能性、他人、人間、成長、大人。思春期だからこそ、このマンガのようなことが起こりえることだと思います。

19世紀フランスの文学、詩壇を代表するボードレールの代表作「惡の華」の世界に傾倒していく思春期の春日という構図は、思春期ゆえの多感で自分の経験したことのない「退廃」「官能」という世界が自分を大人に、周りと違う「自分」というものに押し上げてしまう幻想にとらわれる。「思春期は、その時期を過ごすこと罪であり、甘美である。」

それとこの作者の初期に描かれた「スイートプールサイド」も同時に発売されています。この作品は、思春期の男女の「毛」にまつわるお話です。まあ、そうなりますわな、思春期ですもの。

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by manga_do | 2011-08-10 16:55 | マンガ紹介 | Comments(0)
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