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アメ村マンガ研究所

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マンガになる慶び

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JUMP SQ. Comic Selection vol.3
(ジャンプSQ新人漫画賞受賞5作品・集英社・420円)


野球もそうなのですが、FAで入団したスター選手ばかりのチームよりも、若手を育成して主力選手に育てるチームの方が強いわけで。中長期的なヴィジョンで見れば、「育成」ということが一番の近道だったりします。漫画の世界もそういうことがあって、大物を連れてきた連載誌は一時の華やかさはありますが、長続きしないばかりか、むしろ前より人気を落とすといった危険性もはらんでいます。

各誌「登竜門」は設けていますが、それが効果を挙げているとはすべて言い難いのが現状です。ナゼなのか?一言でいうと真剣さではないかと思うのです。真剣に良い漫画を見つけようとしているのか、真剣に売り出そうとしているのか、真剣に良い作品を産み出すバックアップをしているか、等々。各出版社、各誌がどれだけよい漫画を産み出すのに本気か、それが先を見据えて良い、本当にオモシロイ漫画を産み出しているのだと思います。

ジャンプSQは創刊されて2,3年の若い雑誌です。しかし、前身は「月刊少年ジャンプ」で、それに「週刊少年ジャンプ」の姉妹紙としての位置づけ、「週刊少年ジャンプ」で描ききれなかったもののフィールドの補完としての意味合いが強い。こういう雑誌は大体有名作家の移籍、新連載で読者の幅を広げていくものだが、創刊当時そういうものが感じられなかったのが少し心配だったが、コミックスが一斉に発売されたときにその心配が杞憂だということを思い知らされた。そう、コミックがバカ売れしたのだ。読み手は知っていたのです、有名作家だけでなくてもオモシロイ漫画が存在することを。漫画雑誌が売れなくなってきていた当時、漫画雑誌自体の需要という問題ではなく、面白いものはオモシロイ。という単純な答えが出て、作り手と売り手こそ真剣に漫画を考えなくてはいけないと思い知らされました。

新人漫画賞受賞者の漫画を1冊の本にして売り出す。作者にとってこれほど勇気付けられて、プレッシャーになって、もっと面白いものを描いてみたいと思うものはないでしょう。そしてなんといっても若い。まだ10代の作者のマンガが載っていたりと、ジャンプSQの並々ならぬ「意思」を感じます。

作者の方はこの本を書店に探しに行ったり、親類縁者に喧伝して、その人たちが書店を探しに行ったりしたことでしょう。どうです、結構置いてなかったでしょう?こういう本は昔からあるのですが、いかんせん刷り部数が少ない。少ない書店は1冊とか、0冊とかがお決まりです。そう、この「comic selection」に載るのがゴールではないし、通過点ですらない。書店をその作品が埋め尽くすまでが通過点だと思います。作り手も売り手も読み手も、面白い漫画には目がありません。もしかしたら化けるのではという作品に対しては、出費も手間も苦労も惜しみません。オモシロイ漫画お待ちしております。では。
by manga_do | 2011-02-14 15:51 | マンガの潮流 | Comments(1)
Commented by イオス at 2011-02-15 11:13 x
アセンスさんでも「登竜門」やって欲しいですね♪
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