WARABE
①(以下続刊・kiss連載中)
(IKARING・講談社・700円)
<あらすじ>
主人公・江川潤(22歳・引きこもり・無職・童貞)はホットドッグ店店員に一目惚れして、そのホットドッグ店にバイトの面接に行って、仮採用になったまではよかったが、バイト未経験なのに経験有りと言ったり、近所に住んでいないのにこの辺に住んでるといったりと自らを苦しめるウソをつきまくってしまう。そんなときに、「ワンルーム10畳・家賃5万円・食事付き」の壁紙に誘われて、豪邸に住むことになる。そこには「童」の男が11人も住むワラビーヒルズだった。
私の大好きな作家、IKARINGの最新作。ストレートな女性漫画家の画風を持ちつつ、正統と不条理のギャグセンスを散りばめて、コマ数やページ数が何枚かかってもお構いなしの、1ギャグにかける情熱は健在。むしろ、答えがいっぱいありすぎて絞りきれていなかった今までの作風よりも、テーマがしっかりしていることによる、入り口が1方向で出口が多方向という、本来の彼女の良さが集約された作品になっています。
それにしても登場人物すべて「童貞」とは、IKARINGさんすごい兵器を持ち出しましたね。しかも、11人が11人とも、3クセ、4クセありそうな人たちばかりで、スピンオフ確実な登場人物です。
IKARINGさんと1度お会いさせていただいたのですが、とても美人な方で、ここまでの七色変化球が投げられるギャグ漫画家にはとても見えませんでした。どこから見てもOLさんもしくは学校の先生でした。
私個人的には、彼女の私生活の「もやもや」「腹減り」を描いたエッセイ、「ハングリーORラブ」もお勧めです。これを読むとますますわからなくなります、この方が。