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アメ村マンガ研究所

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vs幽霊!

c0203277_1063914.jpg夏雪ランデブー
①(以下続刊・FEEL YOUNG連載中)
(河内遥・祥伝社・980円)


<あらすじ>
花屋の主人、島尾六花(ろっか)に一目惚れをし、客として通い続け、そして働くことになった、バイト青年葉月は恋愛の対象外としてしか見られない自分に腹立たしく感じていた。しかも、恋愛等をあきらめたと聞かされ半ばあきらめていた。そんなある日、彼女の家に行くことになり、少し前進と期待していたのだが、そこにはトランクス一丁の男が立っていた。だまされたと思い、彼女に冷たく当たるも、我関せずの不思議っぷりと思いきや、その男いわく、「僕のことが見えるの?」と。8つ上の六花を追いかける、青年葉月と、彼女の行く末を心配するあまり成仏できずに花屋に居付く、夫の不可視化三角関係の始まり。


また河内遥の作品なのですが、本当に面白い。前回の「関根くんの恋」共々、連載作品で、これから続刊で、それは彼女自身の面白さというか、のりに乗ってるということを表しているんではないでしょうか。それと描きたいことが本当に多いんでしょうね、羨ましい。全然畑違いなのですが、漫才師は面白いネタが3,4本あれば一生食っていけるとはよくいったもので、河内遥にとってこの2本の連載作品は、その過程にあるのか、それとも代表作になるか、その辺も大いに楽しみだと思います。

さて、今回の「夏雪ランデブー」なのですが、一人の女性を巡る二人の男(一人は霊体ですが)の三角関係ということもあって、男の恋愛に対しての心のまぶしかたや、嫉妬、思いやりが描かれていて、本当に面白い作品です。「男ってそんなこと考えるよね」とか「ここまであっさり考えられるかな」などの男心理描写が(いい意味で)好感が持てるように描かれているのが印象的でした。作中で幽霊である夫が、幽霊であるからこそのもどかしさ、実体がないからこその不甲斐なさを言葉ではなく、表情、しぐさで表現しているのは、長く幽霊をやっているからこその声の届かなさがよく出ていましたし、夫の苦悩みたいなものが見られて「キュン」と来た感じがします。主人公である葉月が、主人公であることを主張できないくらいの、歯がゆさが夫から伝わってきます。

そして、当の恋愛対象の六花はというと、ほ、本当にかわいいですね。フワフワして不思議ちゃん風かと思えば、夫に対してまっすぐであり、自分の使命、店を守るということに対して強靭です。そして、何より人に対して思いやりが溢れている女性です。こんな人がいればと思う最たる女性だと思います。河内遥の作品に出てくる女性は、趣向の切り口や物事のアプローチの違いはあれど、いずれもまっすぐで、何より正直な女性ばかりが出てきます。彼女自身、そんな人なのかなと邪推してしまいます。

表紙のきれいさと装丁の美しさは、最近装丁がよく話題になっているので、ほかの本でもよくあるようで「意外と適当な装丁が多くて、そんなにないよー」と叫びたくなるぐらい、他者と違って色のバランスや質感がきれいで、彼女のワールドの新たな形を飛行石のように示してくれていますね。彼女自身の花や植物などに対する思いと造詣の深さを感じさせます。本当にきれいな緑です。このテイストはいつまでも見ていたいですね、祥伝社さん?
by manga_do | 2010-03-14 11:11 | マンガ紹介 | Comments(0)
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