ブログトップ | ログイン

アメ村マンガ研究所

mangamiti.exblog.jp

時間の裂け目、時間の天罰、時間の悪戯

c0203277_16265332.jpgc0203277_16283270.jpgスプライト
①②巻同時発売
(以下続刊・
スペリオール連載中)
(石川優吾・小学館
・各540円)



<あらすじ>
「黒い雪」、女子高生・時任好子(スー)はある日そんな変な雪を見てしまう。ただ、友人たちにはそれが見えない。ナゼ?
10年も引きこもっている叔父の(田中正午)を訪ねに、彼の住んでいる高層マンションの42階を目指す。その時に起こる大きな揺れと“真っ黒な津波”。その「水」は42階まで迫る。叔父の正午は謎の言葉を発する。「あれは黒い水じゃない、時間だ」と。


「よいこ」「カッパの飼い方」の石川優吾が送る、SF?パニック?ちょっと分類しにくい大作。「地震」「洪水」といった従来からあるパニックの手法に、「時間」という概念を加えた、ゆわゆる4次元漫画(安っぽ過ぎる?)。大地震や戦争、島などの極限状態を描く漫画が最近増えましたが、登場人物が結構無傷だったり、意外と何とかなったりと、物資や救援が何もない中での「安心感」みたいなものが嫌になってきたころだったので、今回もそんなところでしょうと読み進めると、「時間か・・」といった具合に結局はまってしまいました。服がボロくなるなどの物理的変化よりも、時間が加わると、精神的方位磁石が狂うというか、脳と立ち位置がフワフワしてしまって、「壮大」という一味唐辛子が加わって、すごく美味しくいただけるようになりました。

この作者に限らず、皆さん、話の設定もともかく、色々なことをよく考えて調べているなと思います。これぞ本当のプロだと思います。散りばめたシークエンスもさることながら、話の整合性を持たせるための「ブレンバスター」的荒業など、ひとつの作品を本当に面白くするには?どれだけ自分がのめり込める作品を作れるか?など、世界観の構築は本当に見事だと思います。よく、映画的、小説的という言葉を耳にしますが、漫画的な絵のぶち抜き方、吹きだしの文字の強弱による意思の伝え方など、漫画が他のメディアを席巻している理由がよくわかる気がします。

③巻は6月らしいのですが(また6月ですか、ジューンなんとかになるのでは?)、是非とも今後も読ませていただきたい作品が、またひとつ増えましたね。
by manga_do | 2010-03-04 17:22 | マンガ紹介 | Comments(0)
<< 4月が楽しみ、告知だよ。 マチャアキもチチもビックリのサル >>