ちづかマップ
(衿沢世衣子・講談社・945円)
<あらすじ>主人公・鹿子木千束(かのこぎちづか)16歳は、ひょんなことから古美術を扱う祖父の手伝いで、古地図を使った、祖父が副業でやっている「たずね人」稼業をすることになる。実際ある地名と古地図の出会いが生みだす、リアルロードマンガ。
行政区分の合理化と様々な合併によって、日本の地名はいろいろと困ったことになっています。昔まであった地名が「○○町5丁目」に組み込まれてしまって、訪ね歩くのが一苦労だったりなど。アメリカ村も今は「西心斎橋」という地名ですが、昔は「炭屋町」と呼ばれていて、地名を見ればそこが何をしている場所かが分かるという風情がありますね。特に大阪と東京などは元々何もなかったところに江戸時代に当時の都市計画を盛り込んで造られた、文字通りの「合理的な街」で、職能や身分をあらわす地名にすることで、口から耳に伝わる「音」で区分を決めていたんですね。現在はもっと合理的にして、「○○町8丁目」などかなりでかい範囲での括りをつけることによって、当時の細かに伝わる街並みの「音」が伝わりにくくなっているのかもしれませんね。
そんな「古地図」ほしくなりませんか?古地図を引っさげて街に飛び出したくなりますね。
ちづかちゃん、でしょ?