ブログトップ | ログイン

アメ村マンガ研究所

mangamiti.exblog.jp

本年もよろしくお願いいたしますぅ~

新年明けましてオメデトウございます。
今年もアセンスアメリカ村店並びにこのブログ、アメ村マンガ研究所共々、マンガにまつわる「new!」を皆様にご提供できたらと頑張っていく所存です。引き続き変わらぬご愛顧と応援の方を賜りますようにお願いいたします。

さて、寅年です。虎にまつわる漫画を探してみようとベタにネタ探しをしていると、ありました。


宮崎駿の作品が・・・。


c0203277_20163576.jpg泥まみれの虎
宮崎駿の妄想ノート
(宮崎駿・大日本絵画・2625円)


トラは虎でも、第二次世界大戦中に活躍したドイツ軍の戦車「ティガー(虎)」のお話で、その戦記ものです。宮崎駿の戦車に限らず、メカものに対する造詣は並大抵のものではなく、皆さんもジブリ作品で知っていると思いますが、専門家タジタジの知識を持っています。それを一般漫画雑誌ではなく、模型専門雑誌に連載して、彼の知識を余すことなく散りばめています。しかも、全編水彩絵具によるカラーで、アニメ監督宮崎駿ではなく、漫画家宮崎駿としての画彩にははまってしまいます。この企画から「紅の豚」が映画化されたと聞けば納得なのではないでしょうか。
この作品を含めて、3冊分の戦記漫画を彼は描いています。最初読んでいるうちは、いろいろな兵器などのディテールや裏話が描かれていて本当に楽しかったのですが、それと同時にそんな兵器を産み出した人間に対して、最高の皮肉を描いているのではと思うようになりました。兵器自体は強かったり、奇想天外であったり、美しかったりと殺人兵器とは思えないほどの、哀愁やダメッぽさがあるんのですが、それを考え、造り、使って、殺されていく人間には身勝手な狂気ぶりのみが見え隠れしているように思います。彼を戦争好きな、兵器オタクというのは簡単なことだと思います。しかし、人を殺すための最高の技術、工夫が凝らされている兵器は、時として人間と対比してみれば、最高の滑稽な存在になりえるのだなと思います。ジブリ作品でもそのような場面が多く描かれています。ナウシカの巨神兵、ラピュタのロボット兵など、本来の目的を果たせず、人間の役に立つどころか、人間を殺戮するような所業。宮崎駿は大好きな兵器を描くことで、兵器のうんちくを語ることで、戦争に対しての最大のアンチテーゼを我々に投げかけているのかもしれません。
今回の泥まみれの虎は兵士がすべて豚になっています。嫌味ではないでしょうが、凄惨さを極める戦場でブタさん同士が戦う絵は、逃げではない「ピース」を感じます。

決してアニメにはならないと思いますが、この作品たちが最高の宮崎作品だと思うのは私だけでしょうか?

ちなみに、このティガー戦車は最高の戦車であり、最高に手がかかる戦車です。その戦車の名前が虎というのも、なにか、なにか理解できる気がしますね。
by manga_do | 2010-01-01 21:13 | 22世紀に残したいマンガ | Comments(0)
<< アニメ化だけど、あれ? 高野文子発見!! >>