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アメ村マンガ研究所

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酒仙打者の旅の終わり

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あぶさんの野球人生 全56章
上下巻同時発売
(水島新司・小学館・各1400円)


あぶさんが引退を表明しました。それを記念してのメモリアル的な意味も込めて、彼の現役生活をダイジェストで追っていこうというのが本書の刊行の目的です。あぶさんこと、景浦安武は昭和48年に飲み屋大虎で飲んだくれてるところを、スカウトの岩田鉄五郎(!)に契約金50万円年俸100万円で拾われ、南海ホークスに入団しました。そんなあぶさんは高校野球の県大会決勝で155mもの特大ホームランを打ちながら、飲酒をしていることがバレて出場取り消しとなり、大阪の実業団チーム「北大阪電機」に入団しながらも、25歳までプロからも誘いがなく飲み屋に入り浸る毎日という生活からの脱却でした。入団当初から、酒にまつわるエピソードが多く、バッターボックスに立つ前の儀式として、バットのグリップに酒を吹きかける「酒しぶき」をしたり、バットのグリップにアタリメを巻いていたり、ベンチでウイスキーを飲んだり、素振りをすることによって酒を抜いたりと酒にまつわるエピソードには事欠きません。代打屋として、一球にかける集中力は、王、長島以上といわさしめたほどです。そんなあぶさんも、時代が移りホークス一筋で、ダイエー、ソフトバンクとチーム名が変わりながらも、現役を36年間も続けてきました。現在62歳。3年連続3冠王に輝き、チームも常勝チームになり、息子景虎もプロに入り、野球界での名声を得つくしての引退です。
なんか本当にいる選手の話みたいじゃないでしょうか?そうなんです、架空の選手ですよ。

南海ホークス、パ・リーグといった、巨人、セ・リーグ偏重時代にあって、人気だけでなく、野球本来の魅力、プロ野球選手の人間性に焦点を当てた作品は少なく、当時のテレビや新聞で報道されているプロ野球という華やかな世界以外の世界を垣間見る貴重な漫画で、実名で当時のプロ野球選手が登場したり、あぶさんと絡んだり(そんなこと言わんやろってことを結構言わされてた)と「超能力野球か!」(ドカベンもしかり)とつっこみたくなる野球漫画が全盛だった当時にあっては、本当の野球好きの浪花節漫画だったのです。しかも、南海ホークスの2軍の球場があった「中モズ球場」の描写があったりと、在りし日の同地を知るものとしては、今読んでもキュンと来る作品です。

私自身、読まなくなったのは、やはりダイエーに身売りして福岡に行ってしまった頃からでしょうか。昭和40年代から60年代までの大阪を知る資料としても読み返しても損はなさそうです。その後のあぶさんは皆さんも知っての活躍でしょうが、若干超能力が身についたのではと思ってしまいました。なにせ62歳まで現役だったわけですし。とにもかくにも、あぶさん長い間お疲れ様でした。
by manga_do | 2009-11-30 14:02 | マンガ紹介 | Comments(0)
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