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アメ村マンガ研究所

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江戸川マニア

c0203277_12493995.jpg芋虫
(江戸川乱歩作、丸尾末広画・エンターブレイン・1260円)


マンガを売る側の人間として、胸がモクモクしてくる本に出会えることが醍醐味では?と感じることがよくあるのですが、まさにそれを体現しちゃった本が出ましたね。題材は江戸川乱歩の「芋虫」なのですが、丸尾ワールドが加わると、こんなにもある意味ファンタジーなお話が、おぞましいぐらいリアリティあふれるお話になるのかなと感心しきりです。時は日露戦争後、戦場で負傷し、両手両足を失い、喋ることも聞くこともできなくなった男と献身的に世話をする妻との壊れゆくお互いを見つめるお話です。
タイトルの芋虫が表すごとく、グロテスクでもあり、人間のひん曲った感情がコマから飛び出してきそうだ。この本が戦時中発禁処分を受けたというのも何か納得する気はするが、人間の知の果て、表現方法としての文学というところからみれば、江戸川乱歩の人を芋虫にしてしまう構成力と丸尾末広の芋虫世界の表現力はもう昇華してしまってるのではと感じてしまう。おどろおどろしさが際立つようにみえるのだが、その向こうにある人の本来備わっているおどろどろしさの方が真に入ってくるようで、見えなくてもいいものが見えてしまった感じですね。
by manga_do | 2009-10-24 13:30 | マンガ紹介 | Comments(0)
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